夢の誠文堂・書棚 小説・エッセイ

(書評)成瀬は天下を取りにいく/成瀬は信じた道をいく・宮島未奈

小説の舞台、滋賀県大津市出身の義娘の影響で回りが「成瀬は天下を取りにいく」「成瀬は信じた道をいく」を回し読み、小学5年生の孫までも一気に読むほど面白い、というので最後に私も読み始め、はまってしまった。すっかり、成瀬あかりのファンになってしまった。 2025年

NEWS お知らせ

2025年を迎えて

 企画舎GRITは2024年11月18日より、6年目に入りました。大きなプロダクションではありませんが、NHK解説番組「視点・論点」という10分のオピニオン番組の制作を通して、時代の空気を呼吸しながら、この半世紀、テレビ番組作りのノウハウを大事にしながら「やり残した“宿題”」を

お知らせ

企画舎GRIT  5年目に向けて

企画舎GRITを設立してまる4年が過ぎ、2023年11月18日から第5期目に入りました。4年目を記念して今年も孫たちが創ってくれた栞をつくりました。ご希望の方、ご連絡ください。GRIT4年目の仕事は、11月16日、ソロ・ヴァイオリニスト 西川 豪(にしか

人文・思想・社会

(書評)慟哭の海峡・門田隆将

太平洋戦争末期、日本人に「輸送船の墓場」「魔の海峡」と呼ばれ恐れられていた場所があった。台湾とフィリピンの間のバシー海峡がそれである。多くの日本人を乗せた輸送船、駆逐艦、海防艦がアメリカの潜水艦や航空機に撃沈され、この海峡で命を落とした日本人の数は十万人以上と言

小説・エッセイ

(書評)高峰秀子の言葉・斎藤明美

心に残る言葉がある。励ましであれ叱責であれ独言であれ、その言葉が発せられた時の光景を伴って一言一句が甦る。放課後の教室、早朝の事務所、月明りの帰り道......。やがて言葉は心に沁み入り、こんな時ならあの人はこう言うに違いない、ああは言わないだろうなどと思うのだ

小説・エッセイ

(書評)ソラシド・吉田篤弘

山に向かえば、限界集落。荒れ果てた田畑、初ちた家屋。町に降りれば、シャッター通り。人の往来も少なく、冷えた空気が漂う。かつて、村には祭りで賑わう人々の笑顔があり、町にはシャッターを勢いよく上げる音と、店主らの挨拶の声があった。二〇一五年を生きる私の頭の中には、そ

小説・エッセイ

(書評)空より高く・重松清

高知から香川の高校に進み、寮生活を送りながら卓球に打ち込む息子に会いに、この三年間妻と二人何度も試合会場や彼の高校に足を運んだ。体育館では、応援席で熱気に包まれ、自身を鼓舞する選手の雄叫びや指導者の厳しい叱咤の声を聞き、敗者の涙も幾度となく目の当たりにした。高校

小説・エッセイ

(書評)国史大辞典を予約した人々 百年の星霜を経た本をめぐる物語・佐滝剛弘

床が抜け落ちて建て直したという離れの書斎には、夥しい本が足の踏み場もないほどに積み上げられていた。書店に勤めていると、とてつもない読書家に出会うことがあるが、あの白髪の老人もその一人。無知な若僧の私に、たくさんのことを教えて下さった。「群書類従」「徳川実紀」等々、書棚