弊社が制作致しましたBS1スペシャル『消えた窯元 10年の軌跡』、02月14日 午後8:00 ~ 午後8:50放送です。ぜひぜひご覧ください。
ディレクター後藤秀典より:
初めてその風景を見たのは、去年の7月だった。この間、ナレーション、企画提案書など、何度も書いてきたことだが、「ついさっきまで、そこに窯元が座り、ろくろを回していた。その横で、孫が粘土をこね恐竜を作っていた。奥さんは器に馬の絵をかいていた。」そんな風景がそのまま残っていた。人々の暮らしが奪われた瞬間が、大堀にはそのまま残っていた。
実は、そんな風景は、原発事故直後の相双地区では、当たり前にあった風景だ。ある日、突然町中から人が消える、その風景が現場に残されていたし、テレビでもたびたび報道された。
2017年、潮目が変わる。原発立地の双葉町、大熊町をはじめ周辺自治体の一部地域が次々と避難解除された。それに前後して、避難解除地区では除染が行われ多くの住宅が解体されていった。きれいに整地された土地には、太陽光パネルが敷き詰められていった。「人々の暮らしが奪われた瞬間」なんてなかったような風景となった。取り残された帰還困難区域に関する報道もほとんどなくなった。本当は、浪江町の半分以上は帰還困難区域のままなのだが。
この大堀の風景を何としても残したい、というのが、最初に思ったことだ。そこから取材が始まった。
大堀で時間は、10年間止まったままだった。しかし、そこから消えた人々を訪ねると、対照的に激しく動き回り、あまりに厳しい現実に直面していた。
この続きは、番組で見てください!!!
放送日時:[BS1] 2021年02月14日 午後8:00 ~ 午後8:50
語り:余貴美子
ジャンル:ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
東京電力福島第一原発から10キロにある山間の小さな集落、浪江町大字大堀。原発事故から10年たった今でも放射線量が高く住民が暮らすことはできない。原発事故の前、ここは300年以上の歴史を持つ陶芸の里だった。23軒の窯元が東北を代表する伝統工芸品、大堀相馬焼を生業に暮らしていた。肩を寄せ合い伝統文化を守ってきた人々。彼らはどこに行ったのか。10年間の軌跡を追う。
番組表 – NHK