シンポジウム「8K超高精細医療の未来を考える」YouTubeに公開しました。

2023年3月30日(木)17:30順天堂大学 形態系実習室にて、シンポジウム「8K超高精細医療の未来を考える」が開催されました。

放送技術が生み出した8K超高精細映像を医療・医学教育の場に活かすことができないか。順天堂大学では、各分野で映像開発を担う専門業者と連携し、「順天堂大学遠隔共存医療コンソーシアム」としてこの1年間、様々な医療・医学の場で実証実験を行ってきました。その成果を発表すると共に、8Kが今度どのように医療・医学の分野に貢献し、未来をどのように切り拓くのか、8K映像を体感しながら課題と共に展望を探りました。企画舎GRITは事務局として、コンソーシアムの運営、番組制作、そしてこのシンポジウムの実現に貢献しました。

はじめに 活動の経緯と趣旨

シンポジウムを開催するにあたり、様々な8K超高精細医療の実証実験に取り組んできた、順天堂大学遠隔共存医療コンソーシアムについてGRIT代表の新山、コンソーシアム代表で、順天堂大学名誉教授の佐藤信紘さんが紹介しました。

第1部 8Kを手術でどう役立てるのか

発表者
  • 順天堂大学 心臓血管外科  主任教授 田端実さん
  • 順天堂大学 心臓血管外科  特任教授 天野篤さん
  • 順天堂大学 客員教授 元NHK放送技術研究所 所長 谷岡健吉さん
概要

第1部では、2022年8月に行われた、順天堂大学心臓血管外科主任教授の田端実医師による完全8K内視鏡下MICS(低侵襲心臓手術)の映像を紹介。8K内視鏡映像の何が優れていたか?さらなる進化に向け今後の課題は何か?元NHK放送技術研究所所長の谷岡健吉さんとともに語り合いました。 また、2023年1月に行われた“神の手”天野篤医師による、心臓開胸手術の“8Kライブ”の映像を紹介。医学生はもとよりベテランのドクターにとっても大いに学びとなるであろう、手術症例の8Kライブラリーによる教育効果の可能性などについて話し合いました。

第2部 8Kを遠隔診断・医学教育にどう役立てるのか

発表者
  • 順天堂大学 名誉教授 佐藤信紘さん
  • 順天堂大学 総合診療科学講座 主任教授 内藤俊夫さん
  • ヨネ・プロダクション代表取締役 藤枝愛優美さん
概要

長年、医療や生命科学の分野で映像制作を手がけてきたヨネ・プロダクションは、2017年に科学映画「からだの中の宇宙」を8K映像で制作しました。監修を務めた順天堂大学の佐藤信宏名誉教授は、分子レベルや遺伝子レベルで病理を捉えること以上に、生命を持った生き物として人間をありのまま捉えることの大切さを、8Kのミクロ映像は教えてくれると指摘。8Kの医学教育への活用を提言しました。 一方、順天堂大学では、8K映像を使って遠隔診断を行う実証実験に取り組みました。お茶の水の順天堂大学と練馬区の練馬病院を高速回線でつないだ遠隔診断に参加した総合診療医の内藤俊夫教授は、8Kによる遠隔診断はすでに技術的には100%に近い状態まで達しており、通信などのインフラ整備が整えば社会実装できる段階にあるといいます。今後8Kが、医療過疎など地域医療が抱える課題解決にどう役立つことができるのか、今後の展望を語り合いました。

シンポジウム「8K超高精細医療の未来を考える」

日時2023年3月30日(木)17:30~20:00
場所順天堂大学 形態系実習室( センチュリータワー 地下2階 )
主催NHK
共催順天堂大学
ファシリテーター日本科学技術ジャーナリスト会議会長 室山哲也

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