夢の誠文堂・書棚 小説・エッセイ

(書評)エーミールと探偵たち(作:エーリヒ・ケストナー、 訳:池田香代子)

壮大なドラマは身近なところにある。子どもたちが日頃の遊びの中から築き上げた、助け合いのネットワークが、世間を小馬鹿にした大人のこずるい犯罪を徹底して追い詰め、その邪悪な本性を暴き出すという爽快なサスペンスだ。読み終わると、体の底から元気

夢の誠文堂・書棚 小説・エッセイ

(書評)成瀬は天下を取りにいく/成瀬は信じた道をいく・宮島未奈

小説の舞台、滋賀県大津市出身の義娘の影響で回りが「成瀬は天下を取りにいく」「成瀬は信じた道をいく」を回し読み、小学5年生の孫までも一気に読むほど面白い、というので最後に私も読み始め、はまってしまった。すっかり、成瀬あかりのファンになってしまった。 2025年

人文・思想・社会

(書評)慟哭の海峡・門田隆将

太平洋戦争末期、日本人に「輸送船の墓場」「魔の海峡」と呼ばれ恐れられていた場所があった。台湾とフィリピンの間のバシー海峡がそれである。多くの日本人を乗せた輸送船、駆逐艦、海防艦がアメリカの潜水艦や航空機に撃沈され、この海峡で命を落とした日本人の数は十万人以上と言